積みプラ戦記(briefing)

メインの発信拠点であるホームページ「積みプラ戦記」での近況活動や見通しについて。プラモデルとミニッツレーサーとミニバイクのことばかりです。

モンキーの最後

通勤バイクとして約6年ほど乗ったか。走行距離もメーターで6万キロ超え。

 

以前にエンジンを焼き付けてしまったことがある。帰り道でいきなり停止。それからいくらキックしても再始動せず。その日は車で迎えに来てもらって積載して帰った。後日バイク屋にもっていって診てもらうと、オイルがかなり減っていてピストンに傷がついたとのこと。焼き付いてピストンが固着するまでには至らなかったようだが、クランクシャフトは交換しなければならないといわれた。

オイルチェックは時々やっていたし、走行距離での交換は怠らなかった。しかし、実際は少しずつ燃焼して減っていった結果起きたトラブルのようだ。

夜の帰り道で後ろに車がピタリと付いたときにバックミラーでなんか俺のモンキーの排気白くない?って思ったりしてたんだ。日中ではわからないんだが。

おそらく、エンジンが古くなってシーリングが甘くなったことで燃焼室までオイルが入ってしまったのだろう。それでオイルチェックの合間で減ってしまい焼き付いた。

修理費はおよそ10万円。決して安くないが修理することにした。まだまだ乗るつもりだったし、頑張ればなんとか出せる金額で収まったから。

それから数年が経ったころ。エンジンは好調だし快適に走っていたのだが、終わりは突然来てしまった。

 

いつものように朝の通勤で走っていた。2車線の道路で車線変更したときに違和感を覚えた。車体がぶれる。これに似た感覚は以前から何度も味わったことがある。

エンジンとフレームをつなぐボルトが走行の振動で緩んでしまっているとわずかにエンジンが動いてしまう。右左折の遠心力で重たいエンジンが動くと車体がぶれるのを感じることがあるのだ。ボルトが古くなっているのが原因なのだが増し締めすればきちんと戻る。この時もこれだろうと思い、信号待ちで下を覗き込んだところ、どうにも事態が異なっていることに気が付いた。例のエンジンをフレームに固定しているボルトが通るフレームの受けが割れていたのだ。つまりフレームのエンジンを支える大事な箇所が割れているというわけ。こりゃまずいと思ったが、出勤途中でどうにもならない。

極力遠心力がかからないように、慎重に運転をした。もちろん帰りも。

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車体左側から。

エンジンを支える赤いフレームが割れているのがわかる。反対側にも同様のプレートがあるので右側だけでエンジンを保持していることになる。

エンジン固定ボルトはもう1本あって、そっちは異常なし。それでも、ちょっとした遠心力でエンジンは左右に動いてしまう。

 

次の休日までは乗らずに電車通勤。さすがにこの状態で乗るのは不可能だ。

そして、休日の日にバイク屋さんに見てもらった。

修理できないとのこと。

エンジンの焼き付きも直してくれたので溶接でやってくれないかと期待したのだが、これはできないそうだ。引き受けてくれる板金屋さんを探すか、フレーム交換するしかないそうだ。

 

修理対応してくれる板金屋さんを探すのも、フレーム交換もそう簡単にできないことだ。

板金屋さんを運よく見つけられたとして、解体してフレームだけにして持ち込まなくてはならない。そんな作業環境はさすがにない。

フレーム交換といっても、純正フレームは当然廃番なのでネットオークション等で中古品を探すか、もしくは社外品のものを探すかになる。妙に安い中華品か超高価なアルミ製が現状売られている。こういう部品が売られているのもカスタムバイクの代表格、モンキーならではだろう。ただし、どっちにしろフレームからバイクを組み立てる必要がある。繰り返すが作業環境がない。フレームが変わるということは登録の変更も必要になるらしい。バイク屋さんに依頼するとしてもなかなかの金額になる、だろうね。

 

このモンキーの本来のオーナーはうちの嫁さん。だから選択は彼女にしてもらった。

嫁さんの決定は、このモンキーはこれで終わり、ということです。

うちの嫁さんはモンキーに乗りたくてバイクの免許を取った。それも雑誌で見たデイトナカスタム車のようなものを。だから知り合いのバイク屋さんに依頼してパーツからモンキーカスタムを組んでもらった。

いざ乗り始めたら怖かったらしくあまり乗らなかった。そのうち引っ越しやら結婚やらで実家の物置に放置、走った距離も1000kmほど。

それから5年ほど経ってから僕の通勤用として再利用されることになるのだが、これほど頻繁にあちこち壊れるとは思っていなかったらしい。

確かに月に一度のペースで何かしら壊れた。ライトの玉切れからはじまり、ウィンカーステーが走行中に割れた。盗難防止アラームが鳴らなくなった。マフラーバンドが走行振動で千切れた。テールランプユニットもすぐに錆びてボロボロになり2回は交換した。メーターも壊れた。ガソリンコックからガソリンが漏れた。そのたびに休日を使って極力自分で直してきたのだが、確かにいろんなところがダメになるのが早かった。

なぜか。まず、使い方がハード。通勤用途なのでほとんど毎日往復50km走る。雨でも風でも走る。

そしてこれは自分の体験からなので堂々と言うが、モンキーの社外パーツは耐久性がない!キタコ、デイトナ、SPタケガワといったパーツメーカーのものいずれも、耐久性がない。すぐ壊れる。安いからなのかもしれない。品質の高い高級品だったらそんなことはないかもしれない。が、そんなものは売ってなかったから。当然純正品もない。

 

うちの嫁さんは貴重な休日を次の出勤に備えてバイクの修理に使う俺の姿をみて、自分は乗らないけどうんざりしていたらしい。もうちょっと壊れない奴ないの?って。

そして、モンキーは市街地の通勤にはやはり、危ない。

これまでに3回ほど事故にあった。その直接的な原因は小さすぎる車体を軽視した車が危ない行動に出るという点だった。煽られることも日常茶飯事だった。走っているときに横にきたトラックに車体を肩にぶつけられたこともある。そして、おそろしい前後ドラムブレーキ。日頃は力いっぱいレバーを握らないと制動力が弱いのに、雨になると軽く握るタイヤがロックするくらい強烈に効いたりする。これのせいで2回転びました。

これらのことを考えると、ここで終わりにしようという結論に至りました。

なんとか直す手段はないかとか相当考えたり調べたりした。しかしフレーム交換はさすがに重たい。そのお金で新しいバイクが買えちゃう。だったら、より安全な新しいバイク買うって選択になります。

という決定になりました。仕方ない。残念だけど。

フレームというバイクの基礎パーツが劣化で割れるまで乗り切ったと考えるならば十分乗りつぶすまで乗ったとも言えるのではないかな。

これでこのモンキーは終わりにします。