積みプラ戦記(briefing)

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SHCM-Proユニコーンガンダム修理記録まとめ その1

僕の最もお気に入りのアクションフィギュア、SHCM-Pro (スーパー・ハイコンプリートモデル・プログレッシブ)ユニコーンガンダム

 

常時机に飾っていて、ことあるごとに手に取ってポージングを変えたり変身させたりといじっていたけど、大分ガタがきた。

パーツが割れても何度も接着剤で修理して遊び倒してきたが、そろそろ限界。

一番のお気に入りアイテムなので、ストックとしていくつか持っているが、今遊んでいたのはこれは数えて3代目だったはず。

3代目は接着された装甲パーツを引っぺがして内部フレームを直したりもしたので、SHCM-Proユニコーンガンダムの内部構造や、修理方法などの技術蓄積ができた。今までの修理記録を振り返りつつ、この3代目最後のミッションに向かう。

 

SHCM-Proシリーズが今もって僕の最もお気に入りのガンダムアクションフィギュアであることはさっきも書いたとおり。

現行品のガンダムアクションフィギュアも気になるけれど、メタルビルドは転売屋に買い占められて入手困難なうえに、もともと高価なのにさらにプレ値になってしまいがちでまず手が出せない。それより下位グレードのアクションフィギュアであるロボット魂は初期のころパッケージ越しに見て、質感がおもちゃっぽい感じがして、今まで一機も購入してこなかった。

そしてなによりこの商品シリーズがノンスケール設定というのがどうしても許せない。モビルスーツの設定では大型機や小型機として身長(全高)に差があるのに、いざ並べたら同じくらいのサイズの商品。スケールモデルも好きである僕としては、大きさはきちんと統一してほしかったんだな。

そんな理由もあって現行のガンダムアクションフィギュアに手を出していないぶん、SHCM-Proに最大級の愛情を注いで大事に遊んできた。

アクションフィギュアは最初から完成されていて、可動を謳っているので造りもしっかりしている点がセールスポイントだろう。最近のガンプラも可動をかなり意識しており、アクションフィギュアと大差ないレベルに動くようになってきているが、しっかりした造りという点ではやはり差が出る。

その反面、デメリットはまず価格が高い。そして破損すると修理するのが難しい。予備パーツも売ってないし、そもそも自分で組み立てていないので、構造もバラしてみないと解らない。

だから、お気に入りのアクションフィギュアが破損してしまったときは、一か八かの覚悟を持って修理に臨むことになる。

 

2017年1月の写真。左腿の装甲スライド部がかなり緩くなっていて、伸長状態を維持できず立たせていると自重で縮んでしまう。さらに左腕も外れた。折れたというより接着面が剥がれた感じ。これを修理しようとトライしたときのもの。

 

これも3代目のやつ。開封してから頻繁に遊んで、数年は経ってからこうなったはずなので8年か、それ以上は遊んでいることになる。これが最初のSHCM-Proの分解修理だった。

修理が簡単そうな腕のほうから取り掛かった。

接着面から剝がれてしまっただけのようなので、再接着すれば直せるはずなんだが、ここでどんな接着剤を使えばいいのかしばし考えた。

このクリアパーツの素材はPSとABS、どちらなのだろう。PSなら一般的なプラモデル用接着剤、ABSなら専用の接着剤を使うべきなのだが。

結論からいうと、どちらでも接着できた。

SHCM-Proユニコーンガンダムは内部フレームが露出すると発光する設定になっていることからフレームが伸長する箇所はクリアパーツが使用されている。

クリアパーツといえば普通のプラ材に比べれば硬く割れやすい材質。そして、このSHCM-ProはおそらくPSではなくABSが主のプラ材として使われているようだ。プラモデルと違ってランナーに材質が書いてあるわけではないので推測になるが。

このフレームに使われているクリアパーツは見た目も綺麗だが、けっこう頑丈にできて

いる。この点から考えるとこのクリアパーツはABS素材なんじゃないかと推測している。

というのも、脛部分のフレームとしても使われていて、足と接続する部分もこのクリアパーツなのだが、ここはよくひびが入る。プラ用の流し込み接着剤を使うと接着はできるが、しばらく使っているとまた同じ個所が割れることから、溶着がそんなに強くできていないようだ。このことからもABSじゃないかと推測している。

 

そして、難所である腿のフレームスライドの緩みの修理。

外装パーツを殻割りして中の機構部分を補修する作業となる。

使ったのは、WAVEのパーツオープナー。

こいつで、パーツの接着面にあたりを付けたら。オープナーを突き立てる。

パーツに傷がつく、どころか多少えぐれるくらいの勢いじゃないと強固に接着されたパーツを割ることができない。刃先をパーツの隙間に差し込んだらねじって開けるわけだが、プラモデルと違い、完成品は中の構造がどうなっているか判らない。パーツの嚙み合い方もどうなっているかわからない。ここはある意味、賭けに出るしかない。綺麗に外れてくれることを祈って思い切って開く。中でさらに複雑に組み合わされていた場合は、内部パーツが折れたりゆがんだりしてしまうが、こればかりはやってみるよりほかにない。

幸いにして、SHCM-Proユニコーンガンダムの腿パーツはパーツの合わせ目で綺麗に割れてくれる。

苦労して取り出した腿の装甲スライドギミックの要となるパーツ。

強引に外したので、接続ピンは折れかけているし、スライド伸長を保持するロック機構の根本も白化しているが、とにかくこれを何とかすれば直る、はず。

どう修理するかを検討してみる。

腿のスライド伸長を保持することができない程度に摩擦抵抗がないのが原因なわけだから、摩擦力を上げてやれば解決するはず。

装甲スライド伸長を保持するための爪の部分を爪楊枝を突っ込んで少し広げてみる。根本は白化して折れそうだったので、プラモ用接着剤(タミヤの白ブタ)を塗って補修。これでいったん乾かして様子をみた。なんとなくいけそうな感じではあったが、再度組み込んで接着したら次また無事に殻割りできる保証はないので、ここはさらに追加で爪部分にスポーツグーを使ってみることにした。

 

 

スポーツグーは本来は靴などの補修、さらにラジコンボディの補修に使う補修材だが、これは粘度が高くて塗りにくい反面、硬貨すると硬質のゴムかプラスチックみたいな硬さになる。

スライドを維持するために擦り合わさる部分にスポーツグーを薄く塗って摩擦力が回復するか試してみた。

完全硬化した後に、きちんとスライドを保持できるか内部パーツを組み合わせて確認したところ、ほどよい抵抗がありうまくいきそうな気がする。

次は、腿パーツを元通りに組みなおす。外装パーツはABS用接着剤で接着する。オープナーで開いた個所は多少合わせ目に傷やゆがみが出ているが、これはもう仕方ない。合わせ目も裏側で目立たない箇所だったので、このままにする。

組みなおした足を本体にもどして、装甲スライドのテスト。

文句なしの出来じゃないですか。新品の時より若干固くなったことでかえってポージングをつけやすくなった。この修理は大成功だった。

結論からいうと、この左腕と腿パーツの修理は2024年2月に3代目を完全廃棄処分にするまで再び壊れることはなかった。腿のスライドはきちんと摩擦を維持できていた。

すでに販売から15年以上経ったアクションフィギュアのメンテナンスについてなんて需要あるのかな。